デザイナーの採用

ぼくは、デザイン部署を任されているのでこの10年、社員/派遣社員とわず、社内のデザイン制作系の人材の採用にいろいろ関わってきました。面接や、人材の紹介をしたり、採用のサイトをつくったり。。大学で、社の説明会をしたり、大学の授業や、企業の研修で、講師として、世界一周とからめて、「働く事のおもしろさ」を講義したりもしました。そんなおり、鎌倉にある、クラウドソーシング事業のランサーズという会社の社長、あきよしくんから、「デザイナーを社で採ろうと思うのですが、どんなことに気をつけるといいですか?」的なメッセージが、facebookで来て、ぼくなりの考えを返信しました。彼が、参考になった!と言ってくれて、彼の許可ももらったのでぼくのその回答を紹介します。---◆現状のWebデザインのポートフォリオで趣向が異なっても、 イケテル人なら、どんなデザインも対応できるものですか?(人によるとは思いますが。。)A.できます。というか、それができないようなひとは、基本のデザインできないので、雇いません。◆せつさんが採用にあたって、必ず聞く質問や、 こんな人だったら、イケテル!みたいなポイントはあったりされますか?A.自主制作してるかどうか。作るのが好きな人じゃないと、デザインの仕事はできない。//これは、エンジニアも同じだよね。あと、好きなデザイナーや建築家と、その理由を聞きます。全く出てこないようだと、それはデザインが好きでない証拠。単にデザインを作業としてこなす人。◆デザイナさんはどういう採用フローが多いですか?通常の求人ですか?A.社員としてデザイナーを採るときは、メールなどでいろいろやり取りしてから、面接するかしないか決めることが多かったです。しかし、派遣社員から社員になってもらう方が、(会社と人の相性の)ミスマッチが少ないので、結果的にそういう人も多いです。選ぶときも、相当、履歴と制作物を見て、ソースコードも読み送ってもらった制作実績の、どの部分をやったのか、聞きます。//やったのは いち部分だけなのに、全部やった みたいに書く人もいるので。  ディレクター採るときも、その人の作った仕様書や指示書を可能な限り見せてもらいます。本当に仕事をしているか否かは、少し話せば、だいたいわかります。あとは、会ったとき、「あ、この人と仕事したい」「休みの日にいっしょに遊びたい」と思えるか。長い付き合いになるので、技術力の優位度合いより、相性のほうが、重要だったりします。◆デザイナに刺さる求人ってありますか? エンジニアだと、モニタの数や椅子の質や開発言語などが刺さるポイントだったりします。椅子やモニタなどのスペックに左右される人は積極的に採りたくありません。//そういう人は、条件のよい他社に、かるーく移動するので。うちでは、へりくだってお願いして仕事をしてもらうつもりはなく「いっしょにやりたい」と思ってくれるか否かが採用のポイントです。//むりやりスペック的な話をすると  残業の扱い(給与でるのか)は気にする人が多いですね。  また、本や雑誌を買ってもらえるか、なども。  それと、考えるために外に出られるかどうか とかも。   //これはサボリーマンと裏腹なので、扱いに注意が必要ですが。そんなかんじですかね。ここからは追伸です。あと、デザイナーを探すときはウェブデザイナーだけで探さない方がいいです。ウェブデザインをやりたいと思ってる現在勉強中の人とか、現在エンジニアとかあるいは、グラフィックデザインやってる人 とかのほうが、ほんとのデザイナーになる確率(信じられるデザイナーになる確率)が高いです。ぼくが思う本当のデザイナーはいわゆるデザイン(レイアウトとかUIとか)を考えるだけの人ではなく、そのサービスやモノが使われる、前後のこともイメージできて、考えられる人です。//ユーザーセンタードデザインとかUXとか言われることもありますが  もっと単純な、  たとえば、「このサービスは、だれがいつ使うんだ?」とか「これを作るメリットはなんだ?」とか  そういうことを考えるのがいやじゃない人。  シナリオが描ける事って言った方がいいかな。また、発想、アイデアのある人がいいですね。※最近はメンバーとそんな訓練ばかりしてます。仕様や要求にとらわれないで、根本の問題点を見つけ出し、仕様自体を考えられる人。仕様や要求自体を疑う、みたいな人。さきほどのべた、レイアウトとかUIとか考えるだけの人は、作業者。組織から見れば、置き換えがききやすいのがこの人材。※自称ウェブデザイナーは、このタイプに陥りがち。(望んでる場合も多い)こういうスキルセットは、勉強しやすいので、デジハリとか行けば、ウェブデザイン作業者にはなれるとおもいます。逆に言うと、レイアウトとかのスキルは、後からの訓練でなんとかなる。それより、シナリオ力とか、発想力とか、組み合わせ力は、カンがよくないと、なかなかわかってもらえないのでそういうことが もともと出来そうな人を探します。こういうことが出来る人は、置き換えにくい=重視します。そんなかんじです。ちょっと、最初の質問と食い違ってるかもしれないけど。