『坊っちゃん』の時代

最近、このまんがを読んでいる。


もともと 谷口ジローという漫画家の作品が好きなのもあるんだけど、ある日、千駄木の森鴎外記念館に行ったとき、明治の文豪に興味を持った。

浅草に住んで3年あまり、今や世界の大都会TOKYOも、暮らすぼくにとっては「おらが街」でもあるわけで、明治時代、この界隈を舞台にいろいろなドラマがあったと思うと、実に親近感がわく。東京という街をローカルな視点で感じるとおもしろい。


夏目漱石、森鴎外、石川啄木など、このまんがにでてくる文豪たちの話は、人間臭い。そして芸術家である。明治という近代日本の青春時代、古い価値観と西洋文明の狭間、社会と自己といった概念の板挟みの中で、いろいろに考え、著わし、同時代人に影響を与え、そしていつまでも悩んでいる。

40歳を超えたぼくが 「今、何をなすべきか?」なんて、はたと そんなことを考えるほど、感じ取れる作品だった。


世界一周に行く前にも「死ぬ前に何をなすべきか?」なんて考えたが、一周しても答えなんか出なかった。すでにもう10年以上前の話だ。

ひとつはっきりしていることは、なにかに悶々としている理由は、全て自分の中にある。

現在の生活にさわやかな充実感があれば、悶々となんかしない。世界のどこかに答えがあるのではなく、自分で自分を変えなければ、悶々はとれない。