湘南を描く 入江観 展

昨日偶然この展示のことを知った。茅ヶ崎なのでちょっと遠いし悩んだが、期日が日曜までだったので、来た。来てとてもよかった!

画家自身が「空を刻む」と言う意味のよくわかる絵だった。大きな絵だけど、一見そんなに密度無さそうだが、実はすごい密度。写真で見るのと実物で見るのと結構違う。

遠巻きに受け入れてくれるような絵。絵に空間と時間を感じる抒情的な画面。素晴らしいかたまり感。

「湘南を描く」と銘打っているが、画家は、「湘南」を触媒にして、何か深い物語や、思い、いろいろなものをこめている感じがする。そういういろいろなことを受け取ることができる絵画であり展示レイアウトだった。

2020年とか最近の作品もある。ちょっと力が入らなくなったのかなあ?淡白に感じたなあ。


ポスターやリーフレットのデザインも洗練されていて、絵ににしっくりくる感じ。よく似合っていると思った。

美術館の敷地は茅ヶ崎駅からすぐの場所。かつての別荘というかお屋敷。松がたくさんある素敵な庭園。建物もいいデザイン。居心地がいい空間だった。


十三歳のころ、引っ越してきたばかりのぼくの最初の湘南の印象は、松と砂だった。最近の湘南はスローでメロウなビーチタウンの印象だけど、湘南は松林と砂地だな。お屋敷街とまがった古い道を歩きながら、そんなことを思い出した。