「森山大道の東京 ongoing」展
シルクスクリーンで刷った写真は、写真なのか?インクジェットで刷ったプリントは、写真なのか?
そう、写真なんだろう。
「銀塩写真ぽいフォーマットになったものだけが写真じゃない」というだけの話なんだろうけど。そんな「写真は銀塩ぽいもの」って固定観念を、30年も持っていたことに驚く。今や、モニターに映った写真も「写真」なんだろう。
そうすると「写真」とは、一体何なのか? 平面に描かれた絵画の種類のひとつなんだろうか? 描く道具が 筆と絵の具ではなくて、カメラと現像装置になったというだけの話なのか。
写真と絵画が混ざっていく感覚。
そうだ、確かにウォーホルはプリントじゃないか!
そこに描かれているものや内容にこそ 意味があるんだろう。
森山大道の写真、ザクザクとした触感で切り取られた街や人は、いつのものなのかがわからない。去年のものなのか10年以上前なのか、全く見ただけではわからない。
いや、いつ撮ったのかなんて関係なくて、これを構成した そのときこそが、この作品の生まれたときなのかもしれない。
何を作るか、どう作るか。時間も空間も越えて、「描き」「組む」ことで、人に何かを感じさせる作品ができあがる。
今までが素材集めで、今ここで組み合わせて選ぶことで、全く別の新しい作品になる。
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